温度管理を自動制御する方法は大別して2つあります。ひとつ目はシーケンス制御による温度管理です。温度計とヒーターとスイッチを使って人間が制御することを考えましょう。温度が低ければスイッチをONにして、ヒーターで加熱します。
温度が目標値に達したら、スイッチをOFFにしてヒーターを切ります。それでも余熱で温度は上がり続けるかもしれません。徐々に温度が目標値より下がったら、再びスイッチ操作でヒーターで加熱します。人間が行っていた、この動作を機械で自動的に行うのがシーケンス制御です。
シーケンス制御では、バイメタルのような機械的な機器だけでも温度管理システムを構築することができます。より細かにコントロールするためにはPLCを使います。2つ目はフィードバック制御です。この方式では、目標値と制御値の差を検出して、自動制御を行います。
フィードバック制御では、比例動作、積分動作、微分動作の3種類があります。比例動作では、操作量をオンオフのようなの2値ではなく、0%~100%の幅で連続的に変化させるほうほうです。ヒーターで加熱するとき、目標温度に近づいてきたら加熱量を抑えると、温度の行き過ぎが少なく、穏やかな温度の管理ができます。積分制御では、比例動作で発生した偏差を足していき、時間と共に制御量を微調整して、目標値との差が0になるように制御します。
これにより、システムに含まれる定常的な偏差を消すことができます。しかし、この方法では外乱で急激に温度が変わったようなときには、対応に遅れが生じます。そこで、測定している値に急激な変化量に注目してコントロールする微分動作が組み合わせられます。