食品衛生法が改正されHACCPの導入が義務化されていますが、これから導入する企業の中はHACCPを導入することで効果があるのか、効果がないのに面倒なことはしたくないなどと考えるケースは多いのではないでしょうか。時間および費用をかけて取り入れたものの、効果そのものがなければやる気も起こらないと考えるのは当然のことです。ただ、この手法は食品の安全管理を徹底するといった最大の目的があるやり方で、本質から生じて来るHACCPによる効果を再度確認する必要があります。導入効果の中でも大きな成果となりえるのが従業員教育であり、この教育を通じてそれぞれの衛生意識を向上させることができるようになります。
例えば、作業前には必ず手を洗うなどは従来から行われているものではあるけれども、手の洗い方からしっかり教育を行うことで意識を高める効果も期待ができるようになるわけです。5Sとは、整理・整頓・清掃・清潔・躾、5つのSで始まる言葉を集めたもの、品質管理の基本になる部分です。食品会社ではこの5Sについての従業員教育を徹底しているかと思われますが、HACCPの導入の際にも重要になるのがこの5Sの取り組みです。従業員に対しては、教育を通じて何故このような作業が必要になるのか、本質的な部分への理解が欠かせません。
必要な作業を正しく進めることができなかった、正しくやらなかった時には、何故それができなかったのかなどの話し合いを行い改善策を一緒に考えなければなりません。