食品衛生管理のための制度「HACCP」について

HACCPは「ハサップ」と発音され、営業を目的としない学校や病院の給食作りなども含めたすべての食品等事業所において、衛生管理に取り組むように制定された制度のことです。その制度とは食品の製造から加工、調理、販売まですべての過程における業者は衛生管理計画を作成し、その計画に沿った業務を行うというものです。計画では食品の中にある毒や菌など危害要因を分析して、安全な状態になるまではどれだけの温度をどれくらいの時間かければよいかなどをこと細かく工程の計画に入れて、その通りに遂行することでより安全に食品を提供することができるのです。HACCPの由来はアメリカがアポロ計画を立てた1960年代で、宇宙食の安全性を確保するために実施されていました。

そして1973年にはアメリカ食品医薬品局が低酸性缶詰に関する法規で採用し、その後もジュース類や食肉などの分野でも取り入れていきました。日本でも「総合衛生管理製造過程」という制度がありましたが、事前に決められた危害要因のみが対象だったことや品質にまで項目を含んでいて煩雑で実践が難しかったため、結局牛乳にブドウ球菌が含まれ食中毒を起こす事件にもなりました。そのような事件もあり、厚生労働省がHACCPを制度化して衛生管理をするために、飲食店や豆腐店など業種に応じた衛生管理計画書の作成例や実施記録の書き方なども盛り込んだガイドラインを作成して、現在はすべての食品を扱う業者に、HACCPに基づいた衛生管理を義務付けています。

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